booklet『哲樂の中庭』 2001年7月発行


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『過去は少しも決定されていないし、逆に未来はすべて決定されていると言ってもいいのだ』(三浦雅士)

2018年6月12日(火)更新


〜 17年ぶりに陽の目を見る『哲樂の中庭』 〜


 「てつがくのなかにわ」(和樂という雑誌の創刊以前に「樂」を使っています)。今から思えば、〈自業史〉の第一弾。ある節目でいったん総ざらいしたくなるのは性分のようで、2016年4月には『自業のすすめ』をまとめていますから、いずれ〈終わり〉の第3弾をまとめると思います。

 製本までしたこの『哲樂の中庭』。2001年の製作当時は意識していませんでしたが、独立からちょうと10年のことでした。人生を自分で大きく動かし、試行錯誤を重ね、たどりついたある境地。そういったものを総ざらいしたくなったのでした。

 わざわざ製本したほどですから、その度合いも強かった。独立からの10年はまだ序章にすぎませんが、その序章こそ本章から結びへつなぐ大事な伏線、自他ともに開眼した10年でした。追って第3弾をまとめるにしても、やはりこの『哲樂の中庭』は特別で、なにかしらファンタジーのように感じています。

 出来上がった冊子は公私ともにお世話になったみなさんへお渡ししました。中身をじっくり読んでほしいというよりも、みなさんのおかげで今ここに至り、これからまた新しい次元に進みますという報告とお礼、決意表明がてらに。

 その後はすっかり棚の奥にしまいこんだままでしたが、4月に少し片づけをした時に、これまでなら、そのままにしていたものを、もう何とかしようと思い立ったのです。小さな段ボールの中に残っていたのは30冊ほど。17年ぶりにこのモノのことに気がまわったのも、一つの流れ。

 まずは、2001年以降に知り合った人でこういうものをもらってもらえそうな方にお渡ししようと考えた。そしてふと、“国会図書館へ納本…!”。社会の片隅で前途を拓こうと奮闘する一個人の存在を、わたしがたしかにこの世に生きたという証を、歴史に刻んでもらうおう…。

 よくぞまた「納本制度」のことを思い出したものですが、思った限りは実行。国会図書館のホームページで方法を確認し、2冊郵送して、追って受領書も送られてきました。宇宙的なデータベースからすると、ペンで一突きした点ほどことですが、宇宙のどこかに納まっていると思うと、ロマンティックです。

 冊子、リーズレター、そして日常的な「essais」。みなさんからみると、何をそんなに書く必要があるのかと思われるかもしれませんが、これはもう、〈性・さが〉としか言いようがありません。モンテーニュのように、「わたしを教えるためのもの」。

 そうする姿に意味を感じてもらったみなさんと出会い、時間を共にし、ともに働き、それぞれの仕事と人生の物語に登場していく。東洋でいう〈縁〉ができてつながるのも、たがいに個々のあり様を伝え合ってこそですから。
* 2017/3/9 内容をスキャンし、PDFを掲載

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